私の好きな「The Yellow Monkey」に「BRILLIANT WORLD」という歌があります。歌詞に「何十年、何百年、何千年、何万年、何億年、何光年」という部分があるのですが、「"光年" は時間の単位じゃなくて距離(光が1年間に進む距離)の単位なんだけどなあ」と思っていました。でもボーカルの吉井さんもこの部分にアクセントを付けて歌っているので「そんなことは分かっていて、敢えてふざけてるんだな」と思いました。「人月(1人の人間が1ヶ月に行う作業)」というのも作業量の単位です。人を雇うときなどによく使います。

 留学していた時のルームメイトはドイツ人だったのですが、彼は「(ドイツ語より)英語の方が遥かに優れた言葉だ。語彙もフランス語から取り入れて、元の言葉の倍近く豊富になっているし、面倒な言葉の活用も殆どなくなっているし。」と言いました(「go」の過去形の「went」は、英語の数少ない面倒な活用の例ですが、「went」はもともと「go」と似た意味の言葉「wend」の過去形だったそうです)。確かに英語は国際共通語としての優れた性質をいくつも備えていると思います。文法も外国人が学ぶための実用的なものが確立されています。ただドイツ語と比べて明確に劣る部分は言葉の綴りと発音が大きく食い違うことで、音声として流れる言葉を聞き取ることが難しいことでしょうか。中学のときに習ったのですが、ネイティブは常に綴りを意識していて、例えば「two」と「too」は日本人にとっては同じ発音になってしまうけれども、ネイティブは前者を「トゥオ」、後者を「トオー」と発音する、といっていました。

 外国人が日本語を学ぶ上でネックになるのは、文法(私が習った学校文法)が殆ど実用にならないものであること(用言を今のような状態で区別することはナンセンスであるように思います。日本語では形容詞の少なさを、漢語に「〜だ」を付けることで新たな形容動詞を産み出せることで補っています)、用言の活用の種類が何種類もあること、文字種がものすごく多いことでしょうか。
 ただし漢字かな混じり文というのは同音異義語の多い漢語を区別するのに非常に大切な役割を果たしていますので(もし漢字を廃したら、中国のようにイントネーションで同音異義語を区別しなくてはいけなくなってしまいます)、ある程度は残していかなくてはいけないでしょう。テレビ番組でたまに見かける漢字の難読問題の答えや難しい漢字を暗記すること、漢字検定などはナンセンスであるように思います。漢字の数を常用漢字の2000字程度か、あるいはその半分の小学校で習う1000字程度に減らして、その分、脳の記憶容量を空けてあげるのが正しい道だと思います。脳の記憶容量はたいへん大きいものですが、でも有限だというのがコンピュータが一般的に使われるようになって以来、常識となっています。先日私も10000通あった名古屋大学からのメールを9割方削除して、全てのメールが頭の中に入っている状態にした結果、非常に動きやすくなりました。日本語には「死蔵」という言葉がありますが、置く場所があるからといって何でも溜め込むのではなく、個人の貯蔵物は、貯蔵したという記憶が頭の中身に入っている状態である量に留めておくのが良いと思います(そのぶん図書館のような公共施設が、個人が貯蔵しきれなかった様々なものを貯蔵するのは大切な機能です)。
 中国で使われている簡体字も導入した方が、外国人が日本語を学ぶことが簡単になるのではないでしょうか(どうでもいい話ですが、「著」と「着」は本来同じ字だそうです。「杦」も「杉」と同じ字で「三」を行書体にすると「久」になるそうです)。
 ちょっと関係ない話になってしまうのですが、平仮名も続き字になっているのが本来の姿で、それをばらばらにした昔の人の知恵はすごいなと思っています。現在では平仮名を大和言葉に、カタカナを外来語に用いて区別しています。またドイツ語では名詞を必ず大文字から初め、文章を読みやすくしています。それから日本語に「ラ行」で始まる言葉が少ないのは、その昔は語頭に「ラ行」音が来なかったからなのですね。

 日本語には「f」の子音がありません。私の父は「f」を表すのに「○○君は××のフワン」というような言葉を使っていました。かつてはfanをフワンと表現していたようです。昭和20年代や30年代の写真アルバムがあったら見せてもらうと良いでしょう。今はファンと綴りますね。何か「f」、「v」、「th」(無声音と有声音)の子音、「ti」「tu」を表現できる文字、「l」と「r」を区別できる文字(私が中学時代の参考書では平仮名と片仮名で区別していましたが)が日本語にもあれば良いのになと思いました。それにしても外来語を日本語で容易に表現できる、表意文字と表音文字の両方が含まれる日本語という言語は、やはり素晴らしいものなのだなあと再認識しました。

 

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