Google検索すると、私のこのページが検索結果としてヒットしてきました。私はもともとこのページをメーリング・リストなどで積極的に宣伝する気があまりなくて(年賀状やプロフィールにURLを告知しようかとは思っていますが)、Googleでヒットしてくればそれが最上のことだと思っていましたので、今が理想的な状態です。リンクを張って下さった山田さんに感謝、です。ページを読んだ学生さんが、村部さんや笹倉さんをはじめとする様々な方々の素晴らしい仕事の内容を知って下されば幸いです。

 1999年の東海村JCO臨界事故は、ウラン溶液が臨界状態に達し核分裂連鎖反応が発生した事故です。当時テレビや新聞などのマスコミは「窓やドアを閉ざし、室内に閉じこもるように」指示を出しましたが、私の上司であった東京大学の黒田玲子先生は物理学・化学者らしく「中性子線なのだから室内に閉じこもるというのはむしろ逆の指示だ。それよりも一刻も早く、1kmでも遠く逃げるべきだ。」と言いました。私は「さすが専門家の言うことは違う」と心から感服してしまいました。
「室内に閉じこもるように」というのは主にアルファ線に対する方策で、内部被爆量を減少する効果があります。アルファ線は紙1枚で遮蔽されるような透過力の小さい放射線で、主な心配は放射性物質が体内に取り込まれて起こる内部被爆にあります。ところが中性子線というのは非常に透過力が大きく、基本的にどこまでも届きます。被爆量を減少させようとしたら、線源から距離を取るしかありません(放射線量は距離の逆2乗に比例します)。先生の訴えが当時現地に住んでいる方々に届いたかどうか分かりませんが、今はこのようなwebページがありますので、科学者が自分の意見を発信することも、以前よりは容易になってきていると思います。
 先日、「福島第一にはメルトダウンした核燃料よりももっと危険なものがある」というページの動画を見ました(http://news.livedoor.com/article/detail/5958225/)。田坂広志先生のたいへん優れた提言です。少々扇情的なタイトルがついていますが、視聴者を増加させるためにある程度は仕方がないのかもしれません。1時間程度とやや長い講演動画なのですが、ぜひ多くの方にご覧になって頂きたいと思いました。つまり「原子力発電所の本当の恐ろしさは、膨大な使用済み核燃料にある」ということを分かりやすく語っています。私も、大学時代に京都で行われたカール・セーガン博士の講演会で「二酸化炭素の排出量を減らすために、現在ある火力発電所の多くを原子力発電所に転換していかなくてはいけない」と力説されて以来、原子力エネルギーには夢のエネルギーのような印象を持ってきましたが、その考えを180度、転換していかなくてはなりません。

 福島の原子力発電所では、経営陣の方が「作業員がフィルムバッチを付けない」ことを美談として語っていましたが(線量が飽和すると作業できなくなってしまうので)、事態の収拾に努められた方々には本当に感謝いたしますが、ぜひともバッチは付けて作業を行って下さい。体を守るという重要な点に加えて、田坂先生も指摘された「国家や東京電力に対する "信頼" を守る」意味があります。当時は、替わりの人が来ることなど期待せず「自分はここで亡くなっても構わない」と兵士のような悲痛な覚悟で作業にあたられたのだと思いますが…。

 1980年代に「ニュース・ステーション」が、ニュースを題材として分かりやすいショー番組を作ろうとした革命的な動きがありました。私もかつては「文藝春秋」などの雑誌や各種週刊誌を愛読していたのですが、記者やキャスターの意見が色濃く反映された記事を読んだり聴いたりするのが、現在は困難になりました。以前に「ストレートニュース」というドラマがありましたが、今後は、できるだけ客観的なニュース情報を仕入れたいと考えています。どうしても図を使わないと理解するのが困難な場合は仕方がないのですが、そうでない場合は、原稿に手を加えて、言葉の力でニュース内容を伝えることは可能なことだと思っています。
 「ストレートニュース」自体に関しても、週刊誌というメディアには、長いスパンでニュースを伝えるという、新聞やニュース番組には不可能な重要な役割があります。私は2、3日前のニュースを伝えるようなメディアや番組ができても良いのではないかと思いました。そのような番組がいくつかあることは知っているのですが、「個人や国のプライドは多少犠牲になったとしても戦争は何としても回避しなくてはいけない」というリベラルな(?)思想を持つ私にとっては、リベラルな思想の持ち主が論破される役を務めている状況が気にいらないのです…。2、3日前のニュースも「ストレートニュース」で、ショー化されたニュースからは一歩離れたところでお願いいたします。このサイトも「新着論文の紹介」というのは難しいことですので、私も新着雑誌には目を通しますが、出版からある程度時間が経って、自分の中の評価が定まった論文について少しずつ紹介していければと思っています。
 マスコミによる視聴者の「情報操作」の例をあげると、「ガンの発生率」で「日本人の2人に1人はガンが発症する」というテレビコマーシャルがあります。この言葉は決して嘘ではなく(平均寿命付近の85歳までにガンを発症する確率は約50%)、家庭におられる方も含めて皆さんに毎年健康診断を受けてはいただきたいのですが、統計を見ると60才未満での罹患率は0.3%以下と「あれ?」と思うような低い数字です(http://homepage2.nifty.com/urajijou/gan01.htm)。「ガン保険」が成立するわけですね。この統計を見ると、ガンを発症するのは確率的問題であると生物学者の人は何となく考えていたと思うのですが(確かに遺伝子が傷つくのは確率的問題)、若いうちは免疫力によってガンの発症が抑えられていることが明確に読み取れます。ですので免疫力を高めるような医療行為もたいへん有意義であるということが分かると思います。

 ニュースというのはインターネットの主要なコンテンツなのですが、今後ニュースを読者に売ってお金を稼ごうというのは、あまりうまくいかないような気がしています。先日職場の方から言われて「なるほど」と思ったのですが、新聞も購読料ではなく、テレビのように広告料を主要な財源としていかなくてはならない時代なのではないでしょうか?

 

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