大学の時「図学」というとても面白い講義がありました。その中で「今日は4次元の立方体を描いてみよう」という授業があって、私は「そうか!4本めの軸というのは他の3軸と直交するものであれば別に時間軸じゃなくても良いんだ!」とちょっと感動しました。「この世界は普通3次元に見えるが、実は13次元で、しかしながら10本の軸は原子の大きさよりも短く縮んでいる。」というSFのような話があります。残念ながら難しすぎて私にはよく分かりませんが、どなたか私にも分かるように分かりやすく解説して下さるとありがたいです。

 自然単位(プランク単位)というものがあります。最もよく使われているMKS単位系というのは人為的に定められたもので、メートルというのは地球周囲の長さに、キログラムというのは一辺が10cmの立方体の水の重さに、1秒というのは1日の長さに由来していますが、プランク単位系では、例えば長さ÷時間の速度を基本的な単位として見なして、真空中の光速度=1と定めています。
 その結果良く知られたE = m c2 という式が E = m となって質量とエネルギーの等価性がより分かりやすくなっている、というわけです。こんなことを書くとこの世で最も美しい数式と言われるオイラーの等式 e + 1 = 0 を私はすぐに思い出してしまうのですが…。ちなみにそう言ったのはカリフォルニア工科大学のリチャード・ファインマン博士です。彼は「ファインマン図」という素粒子のふるまいを図示したイラストも提唱して、複雑な反応をものすごく分かりやすくしました。大学時代、彼の講義を基にした教科書はとても面白くて散々お世話になりましたし、前世紀最大級の天才の1人だったと、私は彼のことをとても尊敬しているのですが、彼の専門的業績はほとんど理解できていません。

 最後に、子供の時に読んだ伝記ではキュリー夫人は大量の材料からポロニウムやラジウムという元素を抽出した、という苦労話ばかりが載っているので馬力型の研究者だと誤解してきましたが、これらの元素を単離したのも、ポロニウムやラジウムの出す放射線が化学反応によって生じるものではないことを証明するためにレフェリーから要求されたためだということを最近知りました。彼女は原子が別の原子に変わりうるのだということを証明した黎明期の人物の一人だったり、放射線医療の基礎を築いたり、理論家としても大変優れた業績を残しました。子供向けの伝記が、子供でも理解可能な苦労話のみになってしまうことは仕方がありませんが、大人になってもそのままになってしまうのは問題だと思います。
 ついでに言うと私が読んだ野口英世の伝記も苦労話ばかりでした。彼は、夏目漱石によく似ているハンサムな顔をしているので、千円札の顔になっています。ただその当時はウィルスの存在は知られていなかったので、すべての病気がバクテリアによって引き起こされると考えて病原体の単離に取り組んだ彼の業績は現在ほとんど否定されています。研究者にとっては常識なのですが、子供にはその旨も併せてちゃんと教えた方が良いのかも知れません。ちなみに彼を金銭的にサポートしつづけた血脇守之助は東京医科歯科大学の創立者の1人になっています。

 

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