慣用句の「付け焼き刃」の意味ですが、「鈍刀に鋼の焼き刃」を付け足したものが本来の意味だったそうです。「一時の間に合わせににわかに覚え込んだ知識や技術」という意味で、しかしながら「一時の間に合わせににわかに覚え込んだ知識や技術」は、別に構わないではないか、と思うのです。寧ろ、政治家の演説や外交は、必要知識の勉強を行った上で、演説や外交に臨まれたい、と思います。
 鉄というのは面白い金属で、慣用句の「鉄は熱いうちに打て」は、「鉄を精錬するためには必ずしも鉄が溶融するまで(1200℃以上)加熱する必要はない」という観測事実から来ています。鉄は炭素の含まれる量によって軟鉄(iron)と鋼鉄(steel)に分けられますが、軟鉄のままでは強度が足りず、そのまま道具や資材として使うことはできません。鉄を真っ赤に熱した状態で金槌を用いて叩くのは、鉄から鉄-炭素合金に含まれる余計な炭素を追い出し、炭素を0.04パーセントから2パーセント程度含む鉄の合金・鋼に変える作業なのです。これを「鉄を鍛える」と表現します。純粋な鉄は、軟らかく、展延性があります。
 ちなみにこれは想像ですが(実験する気力はない)、「鉄は冷えても、整形は無理だが、余分な炭素原子なら、やっぱり追い出されてくれるのでは?」と、思ったりします(自信は無し。でも金属結合というものは、そんなもん(流体よりは固体っぽい)です。一番風呂の気泡は、一番風呂に入れる人の特権じゃないですか)。「鉄は熱いうちに打て」はもしかして、刃物の整形の話が主だったんじゃないのでしょうか。

 

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