今回のテーマは「機械的な動き・生物学的な動き」というものにしようと思います。宜しくお付き合い下さい。

 生物学の研究者や大学院生には常識となっているかも分かりませんが、分子の動きとは「行ったり戻ったりするけれども片方の方向に進む方が確率が高いのでそちらの方向に進む」という確率論的なものです。この分子が数多く集まった時に(1モルで6×1023という天文学的な数)、一方向に進む機械的な動きに見えます。最近生物学分野でも1分子観測ということが盛んに行われるようになって、分子の行ったり戻ったりする姿が顕微鏡で直接とらえられるようになりました。これはすごいことだと思います。

 これとはちょっと別の話になりますが、動きに方向性を与えるものとしては、片方の動きをストップさせて出来ないようにする留め金(ラッチ)があります。先ほどの「機械的な動き」の原動力となるモーターも、実はどちら回転でも理には叶っているのですが、片方の回転をラッチによって止めています。最近カメラのレンズなどで超音波モーターという部品がよく使われていますが、これは振動エネルギーをどちらかの方向への運動エネルギーに変えようというもので、やはりラッチの一種(素子の形によって片方への運動をできなくしている)だと思います(カメラレンズの超音波モーターは「超音波リニアモーター」とは、少し、原理が異なるようです(ラッチは簡単には向きを変えられない))。

 今回のテーマは短いですが、ここで終わろうと思います。それではまた。

 

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